――パシッ!




「どこ行こうとしてんだよ、お前!」








腕を掴まれ、私は我に返る。


振り向くと、息を荒くした瀬戸川さんがいた。




……瀬戸川さん、私を追いかけてくれたんだ。






「ご、ごめん……」


何やってんだろ、私。




今日は神雷の皆と、夏祭りに来たのに。








でも、どうしようもなく胸がざわついたんだ。


博に似た人とすれ違った瞬間、周りの音がなくなって、追いかけろって脳が叫んだの。








勝手すぎるよ、私。

わかってるけど、止められなかった。