「でっしょー?義母さんが選んでくれたんだ」
「……私が着てもいいの?」
「雫ちゃんに、着てもらいたいんだよ」
郁人くんの優しげな笑顔に、私の胸が高鳴る。
……本当にいいのかな?
浴衣を着て、夏祭りに行く。
なんか、普通の子になったみたい。
どこにでもいるような女の子に、なれたみたいで嬉しい。
私は自分の部屋で、郁人くんから受け取った浴衣を着て、髪もお団子にしてみる。
……うーん。
私は鏡の前で一回転して見てみるが、やっぱり似合ってない。
これでいいのかな?
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