「……行くか。皆、待ってる」 「そうだね」 雫ちゃんは頷いて、俺の隣に並んで歩く。 瞬間、居心地がよくなって胸が高鳴る。 雫ちゃんなら、信じられる……かな。 この先、どんなことがあっても。 姫としてじゃなく、雫ちゃん自身を、守るよ。 ――その言葉に隠された本当の心に、気がつくのはきっとまだ先。 ……いや、もしかしたらもうすぐかもしれない。