こんなにも目の前にいるのに。


お父さんの代わりに、そばにいるのに。





俺はもう、お母さんの心には存在していないのかもしれない。







俺の声も、言葉も、届いていない。


お母さんを心配する視線にも、助けたいと願う気持ちにも、気づいてくれない。









お母さんにとって、俺はなんなの……?










『……もう、傷つきたくなんてないのよ』



『お母さん……』






『その声も顔も全部、あの人に似てるあんたなんて……あたしを傷つけるモノでしかないのよっ!!!』








それは、俺の存在をはっきりと否定し、拒絶した言葉だった。