『お母さん、やめて!!』
また写真立てを投げ落とそうとするお母さんに、俺はストップをかける。
『止めないでっ』
俺はお母さんの持っている写真の入った写真立てを奪おうとするが、お母さんはその手を離さない。
お母さん……どうしちゃったんだよ。
『こんな物……っ!』
お母さんは涙を目にためながら、俺の手を振り払って、写真立てを床に投げた。
ガシャンッ!
写真立てが割れた音が、また家に響く。
はーはー……と、肩で息をするお母さん。
もう前のような穏やかな面影は、残っていなかった。
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