日に日に、お母さんはやつれていった。
今までの笑顔は、どこかへと消えていった。
――ある日の夕方。
俺が学校から帰ってくると、家の中からガシャン!と何かが割る音が聞こえた。
お母さんの部屋からだ!
俺は、玄関にランドセルを置いて、お母さんの部屋へと急いだ。
『お母さん!!』
扉を勢いよく開けると、お母さんが写真立てを床に投げ落としていた。
その写真には俺とお父さんとお母さんが、笑顔で映っていた。
……やめてよ。
それは、大切な思い出のひとつなんだ……。
どうして壊すんだよ。
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