【瑛士side】
……本当にバカだ、雫ちゃんは。
いつだって真っ直ぐに、俺のことを見る。
雫ちゃんの言葉には、嘘偽りはないように思えてきて、頼ってみたくなるんだ。
「千間さんこそ、バカだよ」
「え?」
「どうして、ひとりでなんとかしようとするの?」
雫ちゃんの声はどこか泣きそうで、俺は聞き返したくなるほど驚いた。
なんで、雫ちゃんにはわかってしまうんだろう。
俺の抱えてるものに。
それとも、本当はわかっていないのかもしれない。
ただ、何かを感じ取っているのかもしれない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…