【新平side】 「どういうことですか?」 揺らいだ瞳を俺に向ける雫ちゃん。 どうして雫ちゃんを前にすると、素直に話したくなるんだろう。 どうして、こんなにも泣きたくなるんだろう。 雫ちゃんは、いつだって真っ直ぐに向き合ってくれる。 郁人の過去だって、受け止めてくれた。 でも俺は…… 被害者じゃない。 加害者だ。 危害を加えた側の人間だ。