僕は、お母さんの仏壇に手を合わせる。
毎日の日課だ。
朝と夕飯を食べる前には、必ずする。
お母さんに、心の中で今日あったことを話すんだ。
これが唯一の、お母さんとの時間だから。
『あれ?』
お母さんの写真、倒れちゃってる。
僕は、お母さんの笑っている写真を立たせた。
お母さんはとても美人で、笑顔がとても似合っている優しげな人だ。
写真を見るだけで、心の中がポカポカする。
お母さんと、会って話してみたいなぁ。
できるわけない、話せない。
そんなことわかっていたけれど、本当は一度だけでいいから遊んでみたかった。