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僕が小学二年生だった頃。


僕はボロアパートで、お父さんと二人で住んでいた。






『お父さん、ただいまー』







幼かった僕は家に帰ると、靴を揃えずに元気よくそう言って、料理をしているお父さんに抱きつく。





『おかえり、郁人。手、洗ったら夕飯にするぞー』



『はーい』






お父さんは料理上手な普通のサラリーマン。




お母さんは僕を産んで、すぐ他界。


元々、身体が弱い人だったらしい。






僕はお母さんのことを覚えていないが、それでも幸せに暮らしていた。