■ ■ ■
僕が小学二年生だった頃。
僕はボロアパートで、お父さんと二人で住んでいた。
『お父さん、ただいまー』
幼かった僕は家に帰ると、靴を揃えずに元気よくそう言って、料理をしているお父さんに抱きつく。
『おかえり、郁人。手、洗ったら夕飯にするぞー』
『はーい』
お父さんは料理上手な普通のサラリーマン。
お母さんは僕を産んで、すぐ他界。
元々、身体が弱い人だったらしい。
僕はお母さんのことを覚えていないが、それでも幸せに暮らしていた。
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