【郁人side】 頭が、胸が、……心が痛い。 視界に広がるのは、ただただ黒ばかりで 怖くて、思わず目を瞑る。 誰か 誰か ……ここから連れ出してよ。 キラリ。 恐る恐る開いた瞳。 すると、目の前に小さな小さな光が見えて、 その光に誘われるように、ゆっくりと足を動かす。 『大丈夫』 その光から、優しげな声が聞こえた。