藍島さんは千間さんにそう言ってから、郁人くんをかついで病院へ歩いて向かう。




「雫」


藍島さんは数歩歩いてから、振り向いて、クイッと顎を動かした。






これって、ついてきてもいいってこと?







私はそう解釈して、藍島さんの隣に並んだ。




「歩いて行くの?」


「バイクだと、郁人が危ねぇからな」





……確かに。


意識がない郁人くんをバイクに乗せたら、危険かもしれない。








暗闇に覆われた夜空の下、私は藍島さんの隣で、郁人くんのことを心配しながらも、病院へ向かった。





ごめんね、郁人くん。


私のせいで、無茶させたよね。