「ここでなにがあったの?」 千間さんが私に聞く。 私はさっきまでのことを、できるだけ簡単に説明した。 「……なるほどね」 千間さんが私の説明に、納得したように呟く。 「郁人は、“夜”に敏感だから」 「え?」 夜に敏感? どういうこと? ……夜に対しての“闇”でも抱えているの? 「……しょうがねぇ。瑛士、ここ頼んでもいいか?」 「わかった」