“夜”に怯えている郁人くん。



なら、少しでも夜への恐怖をなくせばいい。





……人の恐怖を完全に失くすことはできないけど、


せめて独りではないことを、伝えたい。






私は恐がることなく、郁人くんに手を差し伸べる。








「大丈夫だから」








博が何度も私に言ってくれた、その魔法の言葉。


今度は私が、その魔法をかけてあげる。







私が郁人くんの、“光”になってあげる。







まるで星のように、郁人くんの道しるべになって


郁人くんの閉ざした心に、元の郁人くんに戻るための道を照らしてあげるよ。