完全に自我を失っている郁人くん。 ……自我を失った原因って、なんだっけ。 あ、そうだ……! 「郁人くん!」 私は裏路地に飛び出し、郁人くんの名前を呼んだ。 郁人くんの目に、はっきりと捉えられた私の姿。 「もう夜だから、一緒に帰ろう?」