驚きを隠せない私とは裏腹に、郁人くんはニコニコしている。
その笑顔に癒されながら、惑わされないぞ!と、ブンブン顔を横に振る。
「寝顔も可愛いね、雫ちゃん」
「…っ!」
郁人くんの言葉に、私の顔はゆでダコのように真っ赤に染まっていく。
や、やっぱり寝顔見られたぁぁ!!
は、恥ずかしすぎて死んじゃう……。
郁人くんは私のベットに腕を立てて、頬杖をしながら、じーっと私を見ている。
私よりも大きいクリンとしたつぶらな瞳に捉えられた私は、どうしたらいいかわからなくて、とりあえず顔を枕で隠す。
「は、早いんですね、郁人くん……」
ただ見られている状況に耐えられなくなって、私は枕で顔を隠しながらそう言った。