“あの時”も、たくさん泣いた。 干からびるまで、泣いた。 だけど何も変わらなかった。 ただ、寂しい思いになっただけ。 私は、まだ涙が溜まっている目元をゴシゴシ拭い、赤くなった目で空を眺める。 空の青さに、空っぽな心が揺れる。 学校にはもう、今日は戻りたくない。 神雷の洋館にも、戻りづらくなっちゃったな。 ……どうしよう。 改めて感じるのは、孤独感。