【花梨side】


私は去年から、同じクラスの女子、古都弥生をいじめている。


実は私、嘘ついてるんだ、みんなと弥生に。手と足をケガした、なんて嘘。ちょっと弥生を驚かせたかっただけ。……なのに、私はなんで弥生をいじめているの?


「ねぇ伊織、カナミ……私、なんで弥生をいじめているのか……わかる?」


私は男達がいる公園をでて、2人に聞いた。


「え? ……弥生が花梨の手と足をケガさせたからでしょ?」


「ううん、違うの」


「でも……あの時ケガしてたじゃん。右手と右足に包帯巻いてたし」


「……実は、手と足をケガしたなんて嘘なんだ。ただ弥生を驚かせたかっただけなの。少し手首と足首をひねっただけのケガだった」


「そうだったの!? じゃあずっと弥生に嘘ついたまま……?」


「うん……だからきっとこれは嘘ついていじめてきた天罰なんだろうね。だから私は復讐されて当然だよ……。全部……私が悪いんだよ……」


「花梨……」


カナミは泣いてる私の背中を優しく撫でてくれた。


「……それでね、2人にちょっと頼みごとがあるんだけど……」


2人は私の頼みごとを承知してくれた。