セミの声が鬱陶しくなってきた夏
私達は並んでアイス食べながら雑談に
話を咲かせてたよね?
なんの変哲もないこの毎日が幸せだった
彼は私の友達で好きな人だった
だけど別に彼女になりたいとは思わなかった
ただ君の隣で笑ってるのがなによりも楽しい
この関係を壊したくない
ずっとそう思ってきたから告白なんてしなかった
でも君に、君の好きな人の相談をされた時頭が真っ白になった
いつから?どうして?なんで私じゃないの?
だけど相談されてるって、必要とされてるって思ったら嬉しくて
友達でいいから側にいたい
だから「好き」って気持ちを胸の
奥の奥の誰にも気付かれない所にしまって鍵をかけた
篠崎 舞
高校2年生でサッカー部のマネージャー
中島 恭
同じく高校2年生サッカー部
安江 結衣
違うクラスの女の子
「恭、放課後グラウンドだってさーー」
「本当か?わかった。サンキュー」
私はサッカー部のマネージャーをしている。
そんなわけで彼、中島 恭 とはもう長い付き合いだ。
特別仲がいい。
恋愛的な意味で。
とは言えない…
友情的な意味で。
「恭君と、舞ちゃんって付き合ってるのー?」
こんな質問も少なくない。
「ちげーよ。舞は友達だよ。なっ?」
「うん。そうだよ」
ズキン ズキン
その言葉は私の心を深く蝕む
違うよ、私は恭が好きなんだよ?
そう言えたらどんなに楽か…
「俺はな、安江結衣ちゃんが好きなんだ」
1番聞きたくない言葉
1番嫌いな言葉
1番わたしを傷つける言葉
「また言ってるー」
「早く告白しなよ」
しないで
「うまくいくかもよ?」
うまくなんて行かなくていい
この矛盾…