がつがつと書かれていく数式の山。
それを一つ一つノートに書きとりながら、解いていく。
数学は好きなんだよな。
だから自分で言うのもなんだけど、結構得意なほうだと思う。
…で。
それに対して、となりのこいつは何をしているんだ。
俺がいうことでもないけど、美波は結構数学というか…勉強すべてが苦手なタイプ。
この授業始まる前までのやる気はどこ行ったんだよ、バカ。


「ん…」


しかも寝言言いかけてるし。
どんな夢見てんだか。
本当に補修とはいえども授業中だっつーの。


「はぁ…」


授業中に寝るとか本当考えらんねぇな。
だけど、こうしてみてるのも悪くはないのかもしれない。
そう思いながらいると先生がちらりとこちらを見る気配を感じた。


「まさか…おい、美波。
美波ってば!!
ちょっとやばいかもしんないって。
美波!!」