咄嗟に選んだこの人は、零って名前らしい。

どうせ、もう来る事なんてないんだし
誰でもいい。


この時はそう思ってた。













もうそろそろ帰ろうか、って時に
また光輝が席にきた。


「送りは誰にする? もう俺でいいょな。」


さっきの勢いは変わらず
すごい俺様な感じで勝手に私の
送りを選ばそうとしてくる。




「零クンがいい! 零くんカッコイイし、」


「はぁ〜?零?そんなん知らん!」


な、なんて勝手なの…この人。



私はこれでもかってぐらいに
零くん零くんって言い続けたけど
光輝には無意味のようだった。


でもなんかそんな勝手な光輝を
どこか目でおっちゃってる自分がいて、
いつもの私じゃないようで落ち着かなかった。