5分かけて到着した学校の門をくぐり、昇降口に向かい、スリッパに履き替え1年生の階の4階を目指す。




あーくそだり〜。




4階までの階段の間、何度もため息をつきながらやっと4階に上った。


そして上ってきた階段から、1番端の教室を目指して歩く。


徐々に近付いてくる教室。




「あっ!唯おはよ〜!!」




隣のクラスの未唯(ミイ)が教室の中から手を振る。


未唯は、黒に思える茶髪をしていて、なかなかガッシリした体格で、未唯のクラスでは未唯に逆らう女子はいないらしい。


そんな未唯と私はあまり深い仲ではない。


未唯が私を見つけると声をかけてくるから、それにただ適当に返事をするだけ。


何てゆうか……絡んだら凄い面倒くさそうだから。



『おーおはよ』




一言そう言って、あと少しの距離の自分の教室を目指す。


……と、ザワザワとうるさい喋り声が聞こえてくる。




ガラッーー




「ほらな!やっぱり唯やろ!なっ!先生、俺の予想当たっとったやろ?!」



「唯、おはよ〜」




ドヤ顔の翔太(ショータ)と、幼馴染みの未奈(ミナ)の声が周りの声より耳に届く。


翔太は、前髪と襟足が少し長くて、結構縦にも横にもデカいし、バスケが上手い。


小学校からの仲で最初は何かと構ってくるウザい奴、としか思ってなかったが、今は普通に仲が良い。


未奈は、ノリが良くて賢くて真面目でオカンみたいな感じでただのガン黒。


正反対だけど、聞いたことに対してズバスバ本音を言ってくるとこが好きになった理由だと思う。




『おー未奈おはよーさん』




軽く笑いながら未奈に言って、窓際の自分の席………翔太の前の席に座る。




「なあ!俺にはおはよーないん?!」


『おはよーないん?ってゆわれてもてめぇがおはよーゆうてねぇんやろがカス』




後ろの席でギャーギャーうるさい翔太を軽く睨みながらカスを強調して言う。




「あ、はい。おはようございます」




急にかしこまった態度で言ってきた翔太に




『ん。おはよ』




と、頭をポンポンしてやった。