茶髪野郎達と2度目の再会を果たしたあの日以来、夜中にあの自販機に行くことも、学校に行くこともなくなった私。



する事もなく、未だに拭い取れないこのイライラを気にしないように、先輩や他校の連れと遊び呆けていた。




「唯〜!最近また絡んでくれるようになったけど何かあったん?」




そう言って、みんなが花火をしている所から私の方へ向かってきた智代(チヨ)が言った。




『んー?特に何もねぇけど、ただ最近まともに遊んでねぇなって思って』




智代とは、中学校に入学してすぐに出逢った。


胸まである髪の毛は茶髪で、耳にピアスをしている。


先輩が遊んでいる時に、智代を連れてきたんだ。


最初は、お互い何故か凄いケンカ腰だったのに、喋ると普通に仲良くなった。


相談に乗る事もあるし、相談に乗ってくれる事もある。


でもまだ私は見えない壁を張っている。




「んーそか。まあ何かあったらいつでも聞くで1人で抱え込みすぎんなよ!」




私の背中をバシッと叩き、ニカッと可愛らしい八重歯を覗かせる。




『ん。ありがと』




それだけ言って2人で、花火をしているみんなの元に戻った。




『唯にも花火くれや』


「お前な〜それが人に物頼む態度か…」




近くにいた先輩が呆れたように笑いながら花火を渡してくれた。




『はよ、火ぃ。つけてや』


「はいはい、そんな急がんでもつけるわ」




この先輩は、あいつ繋がりで仲良くなったが、今となってはもうどうでもいい繋がりだった。