「うっ...。お腹いたくなってきた」

今日は、 中学校の入学式。
3つの小学校からこの中学校へと上がってくる。
私、日依はとても緊張していた。
理由はただ1つ。
ある1つの小学校は女子が性格が悪いと評判だったからだ。

「同じクラスにならなければいいけど...」
「まぁ噂では悪いけど実際どうか分かんないしね。」
毎朝一緒に通学している加奈はさほど心配していなかった。
「なんで加奈はそんなのんきなの!?」
私にとってあり得ないのんきさでてくてく歩いていく。
その後をズシズシと歩いていく私。
「ひぃちゃんは緊張しすぎなの。そんなんじゃ友達もできないよ。」
加奈にしては珍しい発言に私も返す言葉がなくなった。



「はぁ...いよいよついてしまった。」
只今中学校校門前。なかなか一歩が踏み出せずにいた。
加奈は呆れて行ってしまったので1人でいる。
「うしっ。いくか」
そして一歩入ったその時、性格が悪いと評判のグループが入ってきた。
実を言うとその中の二人、葉月と陽とはラインをしていたが、怖くてまともにトークしていない。
顔を下げて通りすぎようとした時、
「あっ?日依ちゃんじゃ?おはよう!」
突然の出来事、わずか2秒。
誰かは分かっていた。けれど、あなたは誰ですか?と言うような顔で黙って立っていた。
「.....あ、私葉月です。分かる?」
「分かりますぅ..。」
これでは不味いと思った私の脳みそは
「えっと、陽ちゃんよね?」
と違う人へ。そしてふと思った。
違う人だったらどうしよう?けど合ってると思うけど...
この雰囲気に耐えきれず「ばいばいっ」と言って逃げてきた。


「1の6ですね」
そう紙を渡れて言われた。
1の6...誰がいるかな...。まず始めに確認したのは1の6にある自分の名前。
そして.....陽、葉月と見ていった。
「っっっ!...良かったぁ...!!」
そう、あのグループの誰1人として同じクラスにならなかったのだ。
嬉しさのあまりボーッと突っ立っていた。
「ひーぃ!おはよ!」
「わぁ、暖佳。おはよう!」
暖佳は小学校からずっと仲がいい。一緒にいてやっぱり楽しい。
暖佳なん組だろ...。1の...
「3組だった」
あぁね、3組かっ。て?陽ちゃんと同じクラスやん!
大丈夫なん...