一体、どんな恋をしたらそんな表情になるんだろう。

私には想像もできない。


だって、私が知っている恋愛は、甘くてとろけるようなものだし。


思い出すだけで顔が赤くなったり、にやけちゃったり。


……って思い出すな私!!


なんて一人で突っ込んでいる時だった。



「玲花はさ……」


「ん?」


「慎司のどこが好き?」



えっ! 慎司の?


思いがけない言葉に頬が熱くなってくる。



「突然びっくりするじゃん! んー、どこが好きなんだろ」



熱くなった頬を、片手でそれとなく隠しながら考えてみた。


んー……。

改めて聞かれると、よく分からないみたい。


慎司のどこが好きなんだろう?


自分に問い掛けてみても、うまく言葉が見つからない。


だけど、好きで好きでたまらないってことは確かで。



「気づいたらこんなに好きになってたんだなぁ……って感じかな」



少し照れ笑いしながら答えた。


本当に、何でこんなに好きなんだろう?


愛しくて、だから不安になって。


恋って……

頭でするものじゃなくて、心と体が無意識のうちに求める。


慎司と付き合ってそう感じた。