午後の授業がまったく頭に入らなかったことは言うまでもない。


もうっ、慎司のせいだよ。


そんな当の本人は、授業が終わると同時に私の机に近づき、声をかけてきた。



「どうした?」



ニコニコと終始笑顔。


分かって言っているんでしょ?



「……責任……とってよ」


「クスッ……何を?」



って、周りにクラスメイトいるのに!

何言ってんの、私。



「もーっ、何でもない!」



恥ずかしくて目も合わせられず、顔を背けた私を笑いだす始末。



「アハハッ! やっぱ玲花は可愛いな」



その言葉でさらに顔が火照り、机に突っ伏した。


完全に慎司のペースだし。



「あっ、今日用があるから智輝たちと帰れよ?」


「えっ、そうなの!!」



慎司の突然の発言に私は驚いて、伏せていた顔をパッとあげて顔を覗き込んだ。


付き合いだしてから一緒に帰らないって初めてかも。


なんか寂しいな……。


なんて思っていたら、慎司の顔がキスできそうなくらい至近距離に近づいてきた。


ベッドの中で見せる最高に甘い顔を向けると、



「続きはまた今度……な」



少し意地悪な声を出し、軽く頭を叩いてきた。


私の体は激しく波打つように反応する。


何か……


悔しいぐらい……好き。