菜穂は逃げきった。

春樹はもう追いかけて
こない。

怖い。
怖いよーーーーーー

ここ、
どこなんだろう。

知らない人がいる。

知らない街だ…

どぉしよ…

「すみません。」

ビクッ

菜穂はすごく
びっくりした。

びっくりした顔で
声をかけてきた
人を見た。

「あの…
近くにコンビニ
ありますか?」

その子は菜穂と
同い年ぐらいの
男の子だった。

って…
菜穂もこの街、
知らないんだって!

「分からないです。」

菜穂がそう答えると、

「…そっか。
ありがとうございます。 」