「…へぇ…友達が、働いてるんだ?」
「は…はぃ!それで…――」
よかったぁ…
…声をかけられたときは
一瞬、すごいビクッとしたけど…
いろいろ話をしながら
奥に入ったそこは
どんどん明るく
どんどん賑やかになっていって…
なんか…
皆の話聞いたりして
すごく怖い場所かもって
来るまで、ずっと思ってた
だけど
まわりにある、雑居ビルの向こうに
駅の近くにある繁華街とかの
てっぺんとか見えてるし
そういうとこと、全然かわんない…
この男の人も
話し方優しいし、親切だし…
フツーの人だ…
「…人捜しなら
店の名前とか、わかる?」
「あ…ぇっと…」
――… お店は…言ってたかもだけど
小さくて…聞こえなかった…
「…わかんないですけど
あの…
……ュキ…ナって名前で」
「"ユキナ"…かぁ
…何人かいるかもしれない
かわいい名前だし…
ちょっと…一緒に、聞きに行こうか」
「はぃッ!
お願いしま――…」
「……?
どうしたの?…誰か、いた?」