…行って…いいのかな…


ホントはここで…
リョウスケのことを待っていたい…


ううん…
ガマンは…する


だって私は、アサノさまを…
二回もこの人を、うらぎってるから…


どうしてだろう…

そんな私のこと
わかって…くれて…


お父さんとお母さんのことまで
ずっと調べてくれて…


…リョウスケに
会わせてくれようとまでしてくれてる…




角を曲がると、明るく広い道

すぐにデパートとかの
にぎやかな風景になって

タクシーとかが入って行く
有名なホテルの前に、たどり着いた




「…アサノさま」


「ん?」


「…どぉして…こんなに…
良くしてくれるんですか…?」


「―― 愛してるからだって
…また言って欲しいか?」


「…ッ!!!」


「私は特に
変わったことは、何もしていないよ

…君のご両親が生きていたら
生活全般、普通にやるであろうことを
私に出来る範囲で、やっているだけだ


当時、俺に出来なかった
一緒にいてくれた友達への
『ありがとう』と
…そう思ってくれても構わない」




――… ともだち…