「――…アサノさま」


「留守か?」


… アサノさまがドアを叩いても
中からは、なんの音もしない…



「メーターは回っている
越してはいない様だ


…ユキナ、すまないが
少し、私用が出来てね
この近くにホテルを取った

―― 雪の後の雨で、気温が低い
ずっとここで待っていたら
肺炎を起こしてしまうよ」




…一度
車までもどった


「白川さん、すみませんが
リョウスケくんが帰って来たら
よろしくお願いします」


「はい!すぐにご連絡致します」