「ゴメンなゴメンなッ!」


真っ白な息
真っ赤な鼻で
門の外に立つ先輩


「これ…!
あッ!指輪とかじゃねえから

…なんかさ駅前の土産屋で
スノードーム、売ってて

…なんかイメージっつか
好きな子に贈りたい感じじゃね?
こ〜いうのって!」


ダウンのポケットから
むき出しで現れたそれは

…ペンギンの親子が
暖かそうな家の外に立ってる
丸い、透明な雪景色…


…クリスマスの日
お父さんとお母さんと
こんなふうに過ごしてた…


そんな思い出の固まりみたいな
とても優しい…プレゼント



「…ありがとうです…
たぃせつに、します…」


「いやっ!あ〜…
裏ねぇし!気にすんなよ!

…これから俺も、都内に遊び行くしさ
友達皆、カノジョ持ちだから
地元だとこう…切ねえっつか?」


――… 都内




「…先輩」


聞いてみよう…

…さっき電話から聞こえてきた

私の知らない

その場所のことを …――――