「あそこは全員が全員
なにかしら大きな荷を抱えている
そんな場所で、君を好きになって
…自由にしてやりたくて
どうしようもなくなって…一緒に逃げた
けれど―――
自由になったはずの君は
…逃げた事でどこにも行けず
結局また自分が、閉じ込めてしまった…
『俺はダメでした
よろしくお願いします』と…
君を迎えに行ったあの日
…あのリョウスケが泣きながら
俺に電話をして来たんだ」
「…リョ…スケ…」
「彼は君を、本気で好きだった
…一度は頂点に近づいたプロの人間
しかも彼は若く、プライドも高い
…そんな人間が、君を食わせる為
日銭のために"殴られ屋"をやる
それがどれほどのことか…
――――… 想像してごらん」