知りたかった
だってアサノさまは
私の旦那さまになる人で…
「…ないなぁ」
しばらく
ホコリかぶったとことかも
のぞいてみたんだけど…なくて…
…焦ることないか
帰って来たら、聞いてみよう
ガタガタガタッ
「――― きゃッ?!」
… 夜明け前の、空と雲
「…風?」
急に怖くなって
持っていた本を置いて
ドアにむかう
「いたッ!!」
も…
本棚に小指、思いきりぶつけたぁ…
しかも本、何冊か落ちて…
「…… 痛ッ」
あわてて戻そうとした手元に
なにかの角が、チクリと刺さった
「…しおり?」
違う
本から少し、飛び出したそれは
…しまい忘れたというより
大切に、はさんで
そのまま 時がたって ―――
そんな空気を持った
一枚の、古い写真だった…