そしてまた
ザワザワとした波が起こる



「…そういえばナギさん
食い入る様な目で、ドレス見てたもんね」


「サブだからぁ…鍵も持ってるし…」


「もうハタチ過ぎてるのに
『契約』の話来てないしね…」



「ぁ…!!」

私が声をあげそうになると
…リリスさまに片手で制止され


ナギさんも
カァッと顔を赤くして
何か言い返そうとしたけど

ギュッと唇をかんで
こぶしをにぎりしめて下を向いた



「――― リリスさん!
ナギさんは、なにもしてないよ」



不穏な空気を割る まっすぐな声に
皆 一斉に振り返った ―――