「お前、もうあの時のこと忘れたのか?」 “あの時” その言葉が意味しているのはきっと小学2年のあの頃の―――。 「忘れて、ないよ」 忘れたかった。 できることなら全てを忘れて1からの生活を送りたかった。 でも1度壊された生活を、修正していくのは大変だった。 「本気で颯太が好きなのか?」 少し寂しげな表情な陸。 「…好きだよ」 はっきりと、陸の顔を見る。