「勿論、はっきりとは聞いてない。でもこないだ飲んだときも、そういう雰囲気なんだよ、俺には解るね」
「あいつ、俺に殴りかかろうとした。理由もないのに」
「それはいつの話だよ」
「最後に会った時だな。いきなりだ。何も悪いことを言ったつもりもない」
Hは腕を組み、黙って話を聞いていた。
「勿論、Tにも色々あったと思う。腐ったヤツだとも俺は思わない。でも、変わってしまったTとも付き合うつもりはない」
こんなことを言うつもりはなかった。ただ自分自身を肯定したかっただけなのか。
「…俺が野球チームを見つけたらあいつも誘うつもりだ。まだあいつはやれる」

Hは都内で野球を続けるという噂を聞いていたのを思い出した。
確かに、大学でもそこそこの成績を残したはずである。運が良ければ、それこそプロにも行けたであろう。