その返事しか、答えれませんでした。
お母さんを悲しませたくなかったから。
大ちゃんと同じように、引きこもりになりたくなかったから。


…でも、ツラくて苦しい学校生活には、イヤな思い出しか残っていません。
高校には入ったものの、やはり周りは変わりませんでした。

表面的には、仲良くしてくれます。
でも、低レベルな私に、無理に付き合ってくれてるのが見え見えで。

私がいない所では、皆、きっとセーセーしてるんだろうな…と思いました。

高2の2学期には修学旅行が待っています。
それには、絶対に参加したくありません。
24時間、同級生と一緒なんて、私には耐えられません。
だから、その前に…



『もう教室には行きたくない!!入りたくない!!』


……大声でホンネを言いました。
カウンセラーの吉田先生は、声を上げて泣く私のことを抱きしめてくれました。


『辛かったね…きつかったね…』

『頑張ったよ…偉い偉い…!』

背中をさすって、何度も何度も慰めてくれました。

…その日から、私は教室には入ってません。
無理をしなくてもいい…と言われたからです。


吉田先生は、お母さんを学校へ呼びました。
そして、私を休学させるように言いました。

『ののちゃんは、長い間の無理が祟っています。暫く休学して、心の疲れを取らせてやった方が良いです』

私にとって、神様の言葉。
でも、お母さんにとっては、地獄の叫び。