私は、上野 マイ。
高校を卒業したばかりの18歳。
家庭の事情で、夢だった大学生生活を諦め、
父親のコネで、ゴルフ場へ就職。
『おはよう、マイ。』
眠たそうな声が、背後から聞こえた。
『おはようございます!藤野さん!』
振り向くと、缶コーヒーを片手に
あくびをしている藤野さんがいた。
『いい加減やめろって。
この職場に俺のこと名字で呼んでるやつ
お前だけだぞ。タツキさんって呼べよ。』
そう言いながら、私に好きなジュースを
買ってこいとお金を渡してくれた。
『すみません、頂きます!
すぐ、戻ります!』
『はいよー。』
私は小走りでスタッフルームの自販機へ向かった。