花金と言われている金曜日…


華やか過ぎる飲み屋街に,何故かボクは立っている。うんと不機嫌な顔をして…。


ガヤガヤガヤ…もう人ばっかりでウンザリだ…。


『お~いぃ…マジで大丈夫やって!

信じろよ!』



小学校からの友達(今となっては悪友だ…)こと,田中博は今,どう見ても不機嫌な顔をしているボクを必死に誘っている…


『俺の女が働きよるんやし~

そんな変なトコやないけん!

飲み屋よ?のーみーや!』


博の女…確かメグミと言う名前の子が働いている飲み屋へと…


『お前いい加減ハメ外せって!

バイトばっか張り切っちゃって!
いいやんか~夜ぐらい俺に付き合え!

ホラ!行くぞ!』


博はボクの腕を持ち,半ば強引に店に連れて行こうとする…

ボクは大きな溜め息をつき,博に優しく言った…

『博…お前,罪悪感って無いんか?』


ヘラヘラ笑って博は一言。


『ねぇよ!』


全くご立派なことである。