「実はな、今日から佐伯の両親と榎本の両親が出張に行ってしまってだな、それでお前らの両親が仲良しだったらしく、二人で暮らさせてくれとのことだった。」







「え、なに?ママたち知り合いだったの?」





「まぁそういうことだな。で、その場所なんだが…」






その後の先生の話によると、約束が2つあるらしい。

一つ目、絶対にほかの人に同居がバレてはいけない
二つ目、どれだけ嫌でも別々に暮らさない


この二つだった。






「あの、バレちゃいけないって?」





「そりゃー、生徒同士が同棲なんて格好じゃとんだ騒ぎになるからな。暗黙の了解だ。」






「はぁ。」






場所は、私の家らしい。





「じゃあ、今日からだからよろしくな。」





「…わかりました。ハルくん帰ろうか。」





「あの、はるは嫌じゃないの?」





ハルくんは私のことをはると呼ぶ。





「んー、でもしてみなきゃわかんないし、うちのママたちのことだから変更なんて聞いてくれないんだよね。ごめんね、ハルくん巻き込んで。」





「そんなことないよ。じゃあ帰ろ。」






そして、学校を出るとあたりは既に真っ暗だった。