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「梢は行かないの?」


「えっ」


「こんなところから見ていても、遠すぎてあんまりわからないじゃん」



放課後、いつものように梢と教室の窓からサッカー部を眺めながらお喋りしていたけれど、ふと疑問に思ってそう訊いてみた。


一目惚れした相手……圭ちゃんがサッカー部に所属していると知った梢は、放課後は毎日のようにこうやって3階のこの教室からその姿を見ている。


だけどこんなんで満足できるものなのかな。


そんなことを考えていると、梢は溜め息混じりに口を開いた。



「ほんとは傍で見ていたいけれど、あれは嫌なんだよね」



そう言ってグラウンドの方を見ている。



「あれって?」



よくわからなくて首を傾げる。