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「ねえねえ! さっき職員室に行ったら、めちゃくちゃカッコイイ人を見つけたんだけどっ!」


「カッコイイ人?」


「うん、ネクタイがグリーンだったから、二年生だと思うけど」



昨日友達になったばかりの梢(コズエ)がテンション高くはしゃいでいる。



昨日は、この高校の入学式だった。


校庭や正門付近には満開の桜が数えきれないくらいある。


そんな桜に見守られながら、あたし、水島涼夏(スズカ)はこの高校に入学した。


梢とは席が隣で、すぐに仲良くなった。



「あー、なんて名前なんだろう! 凄く気になるー!」



梢の瞳は、もう恋したときのそれになっていた。