「はぁー、まただ……」



下駄箱を開けると、きれいに折り畳まれた白い紙が視界に飛び込んできた。


それをポケットに突っ込んで上履きに履き替える。



「どうした?」



既にあたしの下駄箱のところに来た圭ちゃんが、浮かない表情をしているあたしに即気づいて声をかけてきた。


圭ちゃんはあたしの些細な変化にもすぐに気づく。


今だって憂鬱な気持ちではいたものの、それを顔に出したつもりはなかったのに気づかれてしまった。



「何もないよ」


「それ、嘘だろ? さっきまでとは全然違うじゃねーか!」


「ほんとに何もないって」



あたしが否定しても疑っている圭ちゃんだけれど、こんなこと言えるわけない。