「そう。 ママには内緒。 クラスの友達もやったことがないようなことがしたかった。 それでね、ママの忘れ物、昨日でついに百回。 前髪を切ってくれる約束を忘れたの。」 「冒険記念日、おめでとう。」 「ありがとう。」 「でもね、夜の町は、こわいんだよ?」 「平気。 ギターがあるから、一人じゃないもん。」 おねえさんは、やれやれと言うように、頭を左右にふった。 「ギター、まだ弾けないんだろう?」