ギターのたった六本の弦が、自由自在に、太くて低いリズムを刻んだり、高いキーの和音を鳴らしたりする。



すずの背筋が、ゾクッとする。


寒いわけではない。


こわいというのに近い。


ちっともホラーじゃないし、むしろ気持ちいいのに。



その人の声は、ギターの音と似ていた。


ざらっとして、甘い。



歌の音階が低いために、しばらくたつまで気づかなかった。


その人は、女の人だ。


おねえさんだ。


男っぽい服装をしているけれど、帽子でまとめた髪は長そうだ。


ギターのボディの上に、小さなおっぱいが乗っかっている。