「ごめんね、すずちゃん。


今日も遅くなりそうなの。」



「大丈夫だってば。


もう五年生だもん。」



すずは、深くシートに座ったまま首だけをかたむけて、ママを見た。夕方の闇と明かりを背景に、ママの横顔は、とてもきれいだ。


白いスーツとシートベルトがママの体をしめつけて、大きなおっぱいをますます大きく形づくっている。



今夜も、ママはお仕事のために家を空ける。


すずが三年生のころ、ママがパパと離婚してから、ずっとだ。


とっくの昔に、なれている。