会議室へと行くとパソコンや資料をテーブルに置いてお茶の準備をした。


会議室の端っこに電気ポットとカップなどが既に準備されていた。


「カップの数は少ないですけど、今日は何の会議ですか?」


「実は今度の企画の打ち合わせで、とりあえず今日は専務と俺と君の三人での打ち合わせになる。」


「私が打ち合わせに参加しても良いんですか? 蟹江さんの方が適任では?」


私はまだ入社して2年目。蟹江さんは先輩社員だし経験も多い。


こういう企画の打ち合わせは蟹江さんを参加させるべきだと思っていた。


なのに、蟹江さんを差し置いて私が企画の打ち合わせに出ればこの部署がギクシャクしないだろうか?


皆の仕事への意欲が落ちないだろうか?と、心配になってしまう。


「君の頑張りは部長も課長も認めているところだ。きっと、蟹江もそこは判っている。」


部長や課長にも私の日頃の仕事を認めて貰えていたと分かると嬉しくなる。


きっと、吉富さんも私の努力を認めてくれたのだろう。


だったらこの企画への参加は喜んでさせてもらいます。


「わかりました。頑張ります。よろしくお願いします。」


「ああ、よろしく頼むよ。」


吉富さんはにっこりと微笑んでくれた。