嫉妬する加奈子が可愛くて抱き締めていた。
触れる頬の温もりを感じると思わず頬ずりをしたくなる。
「髭がザラザラするんだけど。」
「折角の雰囲気をぶち壊すなよ。」
加奈子に話しをさせるとどうも色気に欠ける。
折角のハネムーンが台無しにされてしまいそうだ。
だから、加奈子の口を封じるためにも唇にキスをした。
重なるだけのキス。優しく触れあうだけのキスが少しずつ動きが激しくなる。
お互いの唇がもっと欲しいかのように吸い付くようにキスをしていた。
「加奈子、顔が赤いぞ。」
「だってキスするからよ。」
「露天風呂へ行かないか?」
「こんな時間に?」
加奈子の頬は益々赤く染まる。露天風呂に誘ったのは一緒に入りたいことと、裸で抱き合えることが目的だ。
加奈子には露天風呂で何が起きるのか想像はついていた。
だから、顔を赤く染めて恥ずかしそうにしているのだ。まるで、バージンの花嫁のように初々しい姿で。
加奈子を抱き抱え部屋続きの露天風呂へと行く。
小さな脱衣所で服を脱ぐと外へと出る。
まだ、明るいところでは恥ずかしいのかタオルで体を隠す加奈子が初々しい花嫁のようで俺の気分も盛り上がる。
「加奈子、風呂でタオルは使えないんだよ。」
浴槽にタオルを浸してはいけないのは常識だからと、俺は加奈子の体を隠していたタオルを剥ぎ取った。
そして、脱衣所の方へタオルを放り投げた。
加奈子は恥ずかしそうに俯いていたけれど、その仕草が俺の気持ちを掻き立てるとは思っていないだろう。
息が荒くなると我慢も限界になる。
今日は二人の新婚旅行だ。しっかり新婚を楽しみ芳樹の兄弟を作ってやりたい。
「子作りしよう」
「え?」
加奈子の驚いた顔に俺の方が驚いてしまった。
加奈子は芳樹だけで子どもは欲しくないのだろうか?
俺は沢山の子ども達に囲まれた生活をしたい。
加奈子は違うのだろうか?