深い眠りについた私が目を覚ましたのは翌朝になってからのことだった。


ぐっすりと眠ってしまった私は気分よく目覚めた。


「ママ!!」


私が目を覚ますと、何故か心配そうな顔をして私に抱きつく芳樹がいる。


昨夜は仕事で遅くなり芳樹の顔を見れなくて甘えているのだと思った。


けれど、なにやら様子が違っていた。


それに、バスローブ姿のままベッドに眠っていた私。


何時もなら下着もパジャマ代わりのシャツも着ているはすなのに。


私はお風呂から出るとそのまま寝た?!


「加奈子、気分はどうだい?」


「よく眠ったからスッキリしてるわ。どうしたの?」


私のいつもの様子に透は安堵しているようだった。



「何かあったの?」


私の無神経とも取れるような言葉に透は怒り出す。


だけど私には何のことか分かっていない。



「あまりにも風呂が長いから様子を見に行ったんだ。声かけても反応無かったから浴室に入ったら、お湯に加奈子の頭が沈んでいたんだ。」


お風呂で寝たんだわ?! それでそのまま熟睡してお湯のなかに沈みこんだのね・・・


「ここまで運んでくれたのね。ありがとう。」


「これまでの無理がたたってこんなことになったんだ。これからはもう少し俺を頼ってくれ。加奈子のあんな姿は二度と見たくない。」


手を握りしめられるとその手の強さに透の想いが伝わってくるようだ。


湯船に沈んだ自分の姿を想像すると急に恐ろしくなってきた。


もしかして、私は透が助けてくれなければ、溺死するところだった?!


そんな私の姿を透は見たんだ。