ピピピピッピピピピッピピピピッ
規則的な音が部屋に鳴る。
ピピピピッピピピピッピピピ....
「うるせーーー!!」
バァンッ!!
時雨は寝ぼけながらも、思いっきり時計を叩いた。
普通なら何てことないだろう。
しかし、馬鹿力のせいか、その時計”だったモノ”は無残な姿になっていた。
「あ........またやっちゃったぁ.....」
目の前には中身が飛び出してしまっている時計(だったモノ...)
「これ、お母さんに見られたら絶対怒られるよね.....。今月入って3個目だし...。」
私はソッとガラクタ(時計だったモノ)を棚に隠す。
「ふぅ、証拠隠滅っと。
そういえば、ずっと気になってたんだけど.....」
ポタッ...ポタッ...と、時雨の目から水が零れ落ち、ベットのシーツにシミを付けていく。
「またか.....」
どうしてか、朝起きるといつの間にか涙が流れている。
覚えていないけれど、怖い夢でも見たのかもしれない。
13歳の誕生日の日から、ずっとこんなことが続いている。
「んー、目元赤いな〜...。」
私はスタンドの側にあった手鏡を見ながらそう呟く。
「時雨、さっさと起きなさい!ご飯できてるわよー!」
下の階からお母さんの声が聞こえた。
「はぁーい」
私は泣いていたことを悟られないようにと、呑気な声で返事をした。